今回はボルトです。いきなりですが、
◆ボルトの種類 中ボルトとHTB
普通のボルトを「中ボルト」といいます。これに対して「HTB」があります。ハイテンションボルト=通称ハイテン。高力ボルト=こうりょくぼるとともいいます。
◆接合方法 引張接合とせん断接合
引張接合 せん断接合 (1面せん断) せん断接合 (2面せん断)
<図1> 主な接合方法
接合の方法には、ボルトにかかる力が引張力かせん断力かで2種類あります。2面せん断は1面せん断の2倍の耐力があります。このことは中ボルトでもHTBでも同じです。ただ、このふたつでは耐力が違います。
<引張接合> 中ボルトもHTBも原理は変わりませんが、耐力が違うのは素材(鉄)の強度が違うからです。
例:中ボルトのM16 2.4t
HTB のM16 6.2t
<せん断接合> 見た目は同じなのですが中ボルトは支圧接合、HTBは摩擦接合といい、原理が違います。例えていうと、「中ボルトは釘、HTBは万力」なのです。それはどういうことでしょうか。
◆支圧接合と摩擦接合
・中ボルト=支圧接合 <図2>
図は極端な書き方ですが、ボルトの軸と
穴のヘリがぶつかっています。ここから力が伝わっていくのです。このぶつかった部分の抵抗力を支圧力といいます。
・HTB=摩擦接合 <図3>
HTBは中ボルトと同様に支圧接合を加味した使い方もありますが、普通HTBといえば圧倒的に摩擦接合です。摩擦接合の場合は、中ボルト=支圧接合のように力がボルトの軸から穴のヘリに直接伝わっていくわけではありません。
図のように2枚の板を万力で締め付けた時を想像してください。ボルトがささっていなくても板と板の間に摩擦力が発生しています。これで板を左右に引っ張る力に抵抗するのです。
HTBはたまたま中ボルトと同じような形をしるので誤解をされるのですが、万力のようにして板を締め付けるための方便なのであって、原理的には形はどうでもいいのです。HTBの軸が穴のヘリに当たっている必要もありません。
そして、このとき「摩擦係数は0.45」
とうようないいかたをします。例えば、10tで締めれば、摩擦力は 10×0.45=4.5t
つまり、4.5tで左右に引っ張っても大丈夫ということになります。HTBの耐力といっているのは、実はこの摩擦力なのです。
その摩擦力が出るためには、ボルトの太さは直接関係なくて、締め付け力と材間の摩擦係数
が大切なことがわかります。
│ │支圧接合 │ 摩擦接合 │
│中ボルト(M16)│1.8t×面数 │ │
│ HTB (M16)│1.8t×面数 │3.0t×面数│
表でみるとおり、HTBは大変強いのですが、使い方が難しいです。
◆ 中ボルト(支圧接)の耐力はボルトの軸の太さで決まり、HTB(摩擦接合)の耐力は締付力と摩擦面の処理で決まります。
次回はこの二つのボルトの使い方を解説します。
■ 中ボルトはささってればよい。
ゆるみ止め(ダブルナットか点溶接)
■ HTBは締付力と摩擦面の処理が大切。
トルシア型をシャーレンチで締める。 |
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