◆展示会のシーズンになりました。弊社でも構造物の仕事をよく頂きます。トラス(スチールやアルミ)もよく使われます。

(H鋼)

(トラス)
ところで、H鋼などよりもトラスのほうが性能がよいという誤解があるようです。梁の成(せい=高さ)を問題にしているときに「H-400くらいが必要ですよ」というと、トラスならどのくらいに小さくなりますか、などと聞かれるからです。今日はその話題です。
◆アは普通のH鋼。

(ア)
例としてH-200×200×8×12とします。2枚ある方をフランジ、1枚しかないほうをウェブといいます(以下の計算ではウェブの断面積や性能は無視します)。
断面二次モーメントをI、断面係数をZとすると略算では、
I=2×A×e2
Aはフランジの断面積(図のハッチング部分)
A=1.2×20=24cu
Z=I÷(H/2)
更に簡単にしてH/2 ≒ eだとすると、
Z=I÷e=2×A×e
Z=2×24×9.4=451
となります。
実際、お手元の鋼材表をみてください。断面係数とかZxなどと書いてあるところに472という数字が見えますよね。これです。上の略算とほぼ、合います。
◆このとき、フランジの形は角棒や角パイプでもいいし(イ)、丸棒や丸パイプでもいいのです(ウ)。フランジの断面積が24cuで重心までの距離が9.4cmならZ(断面係数)は同じです。つまり、ア、イ、ウはほぼ同等です。

(イ)

(ウ)
実際には断面積が24cuのパイプというと、φ165.2×6や□−125×6以上になりますので、イやウの場合、二つのフランジがくっつきそうになり、寸法的に納まりません。成を20cm程度で納めるには角棒や丸棒に近くなるでしょう。また、イ、ウはアに比べて仕上がり寸法(成の最大値)が大きくなります。フランジはAのように扁平な方が仕上がりを低くできるわけです。
◆さて、ウの重心までの距離を20cmにしてみましょう(エ)。

(エ)
断面係数をAと同等にするには
Z=2×A×20=451 ですから、
A=451÷40=11.3cu となり、フランジの断面積は11.3cuでよいことになります。パイプではφ89.1×4.2くらいになります。
断面積がア、イ、ウのほぼ半分ですから、この梁の重さも半分です。つまり、断面積を小さくして高さで稼いでいるわけです。
結局、同じ性能で比較すると、
・トラスは成が高いが軽い。
・H鋼は成が低いが重い。
ということになります。
◆ウェブの働きについては次回にしましょう。