しりをまくるとか、ケツをまくるとか、下品な表現ですみませんが、よく使う言葉ですね。
◆もう、時効になったかな(=話してもいいかな?)と思うので、二つのエピソードを(関係者に迷惑がかからないよう)事実の一部と実名をゆがめてお話ししましょう。両方とも数十年前の話です。
◆ある大企業(A社)が自社の独立看板(高さ6m。ひとつの県に百基)を子会社(B社)を通じてC看板に発注しました。C看板は安く受注するため、B社と「設計と申請は別途」として契約。たいした図面もないまま製作しました。
完了して数年後にそのうちの1本が倒れ、役所に摘発されました。何の確認や許可ももらっていないことも判明。全数の是正を命じられました。
◆倒れた現場をみると、基礎はいわゆる「ブッコミ」基礎なのですが、深さ60cmほどしかなく、誰が見てもあまりの内容。しかも、他にはもっとひどい基礎もあるという事が判明しました。
◆施主(A社は)B社を飛び越えてC看板に設計、申請と工事のやり直しを命じました。C社はB社こそ元請けであること等を主張しましたが、結果的には何も受け入れられませんでした。
※中でも印象的なのは、A社から「B社は建設業の登録をしていないから元請けの資格がない。従って元請けではない。だから元請けはC社である」といわれたそうです。
◆さて、成り行きですが、実はC看板は別の大企業D社の子会社であり、このD社は施主A社から看板以外の分野で毎年、数億円の仕事をもらっているのです。そのため、D社内ではA社と争いになりたくない、「新聞沙汰」になりたくないという意向が強く、A社のいうなりの内容で(無料で)申請と工事をやり直したそうです。数億円の損害でした。
◆C看板は別の看板屋さんに工事を丸投げしたのですが、この際、下請けはC社にとって無力です。
一方、B社は知らぬ存ぜぬで話し合いの場には出てきません。というより施主がB社をかばって矢面に出しません。
C看板も自社だけではこれだけの損害は埋められませんので、もともとD社の子会社でなければ(その場合、受注もないでしょうが)トラブルに際して「尻をまくる」という選択肢もあったわけです(モラルや法律上のことは棚に上げるとして)。
しかし、大企業の子会社であるために逃げられなかった。
もうひとつ、古い話。
◆E看板は下請けの(株)ヤマカ看板に袖看板を発注。(株)ヤマカ看板の配下の職人が縄ばしごで取付工事中に地上20m付近から落下しました。職人は幸い、腰の骨折ですみました。E社の労災保険を使い長い療養をしました。
◆ところで、(株)ヤマカ看板は何故か、事故の数ヶ月後に廃業しました。といっても同じ場所、同じ電話番号で「カヤマ看板」として個人営業しているのです(社長は加山さんといいます)。E社の近所なのでE社の社員が行きつけのガソリンスタンドでカヤマのトラックを見かけます。トラックの社名はガムテープで(株)の一文字を消し、ヤマカをカヤマとしているだけです。山にカの字のマークも変わりなければ、社員の様子も以前と変わりません。特別不景気にも見えず、通常どおりの営業をしています。
E社の社長は(株)ヤマカ看板が廃業した意味が分かりませんでした。
◆E社が事件を忘れかけた頃、E社に訴状が届きました。けがをした職人が、廃業してしまった(株)ヤマカ看板を飛び越えてE社を訴えてきたのです。逸失利益と慰謝料で約1億円。
E社はヤ社が廃業したことの意味がやっと分かりました。ヤ社は以前と変わらず営業しているのに、訴訟はE社が受けて立たねばならなかったようです。
◆尻をまくれる会社とそうでない会社。あるいは尻のまくり方。後味の悪い話ですみませんでした。
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さて、次は明るい話題(?)です。
ケミカルアンカー(商品名)を行政が工法として認めにくい理由はおおきくわけて、
@ 建築基準法に接着力の規定がない。
接着強度が数字で書いていないので審査のしようがないわけです。
A 耐火性がない。
接着剤は樹脂なので火災の時にボルトが熱くなれば樹脂が溶けてボルトが抜ける理屈です。
Aに対しては「ケミカルアンカーセメントカプセル」というのがあります。形状と使い方は普通のと同じです。強度も同じようです。
ただし、不燃であっても耐火ではないので役所の対応は同じではないかも知れません。
もうひとつ、「ケミパンチ」というのがあります。自分(元、職人)では使ったことがないので何とも言えませんが、カタログによるとボルトをハンマーで打ち込むだけでハンマードリルが不要。液が垂れにくいので天井面にも使える、問うことです。お試しを!!