不良施工やボロボロの看板を点検するな

不良施工やボロボロの看板を点検するな

※使用した画像は本稿とも弊社とも関係ありません。また、画像は権利者から購入したものです。
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看板の落下事故の原因の大半は不良施工と経年劣化ではないでしょうか。
不良施工は多くの場合、施工業者の責任です。
経年劣化は多くの場合、管理者(看板の所有者、看板の占有者、屋外広告物管理者)の責任です。

私は現場10年、設計40年、あわせて50年間、この業界にいます。
設計業の期間に無数の看板の内部を実見または写真で拝見しましたが、その殆どが不良施工とボロボロに腐ったものでした。
だから、私は、街には不良施工の看板とボロボロの看板が溢れていると考えています。
でも、これは私の直感であって、科学的な根拠はありません。

看板に限らず何でもそうでしょうが、正しく作られてピカピカの新品のあいだは合理性が働きます。
どいういうことかというと、同型、同寸法の二つの看板があり、共に正しく作ってあるとします。
少し浮き錆の見える築3年の看板よりは、新品同様の築1年の看板のほうが今後の寿命が長いと予測されます。
でも、共に正しく作ってはあるが、ボロボロの築20年とボロボロの築30年の看板では寿命の予測はつきません。
どちらが先に落ちるか、わかりません。
良質な施工がしてあっても、適正な保守をしなければ、こうなってしまうのです。

一方、施工が不良の看板は、ピカピカの新品でも危険です。設置の翌日に落ちても不思議はないのです。
こうして、不良施工の看板とボロボロに腐った看板では合理性が働かないために、寿命の予測がつきません。
また、これらを点検修理しても寿命は延びません。性能も回復出来ません。
というより、不良施工の看板はもともと性能と呼べるようなものはないし、ボロボロの看板は当初あった性能が失われています。
だから、点検修理をしても無意味なのです。

①正しく作る。
②正しく維持管理する。
この二つが出来ていない看板は点検をしないで撤去すべきなのです。
点検は、正しく作ってあり適正に維持管理されたピカピカの看板にだけ与えられる特権なのです。

無論、不良施工やボロボロの看板でも、点検しないよりしたほうがよいでしょう。
現状が把握できますから。
だが、点検により何かが良くなることはありません。
点検を過信しないこと。

特に大切なことは、ビルオーナーや看板のオーナーに、妙な期待を持たせないことです。
「今日、点検したので、来年の点検までは安心だ」などの期待です。
オーナーの、業者に対する信頼関係が厚いほど、こういう期待を持たれます。
ささいなクレーム(押縁が落ちたなど)や事故で信頼は吹っ飛びます。
「いままで何を点検してきたのか」と。
「初期は他社の施工です。当社ではありません」「当社が関与したとき、既にボロボロでした」「そもそも初期工事が不良施工です」
等と反論しても、オーナーは「それを早く言え」と言うのではないですか。